耳だれとは？

耳だれとは、耳の中から出てくる膿などの液体や、それらの液体が出てくる状態のことを言います。耳だれは正式には「耳漏（じろう）」と言い、原因となる病気によって、「サラサラとした耳だれ」「ねばねばした耳だれ」「膿のような耳だれ」「臭いの強い耳だれ」など、様々な性質に分かれます。

耳だれを引き起こす原因

膿のような耳だれが出る場合、原因として最も多いのは急性中耳炎や慢性中耳炎です。これらの病気は、耳の中で細菌感染が起こることで発生します。さらさらした耳だれの場合は、外耳湿疹や外耳道炎、耳のかきすぎなどが考えられます。ねばねばして硬い感じの耳だれの場合は、好酸球性中耳炎という病気が考えられ、気管支喘息や一部の副鼻腔炎（蓄膿症）をお持ちの方に現れやすいと言われています。

耳だれの放置は別の病気に繋がります

耳だれがあるということは、その原因となる病気が存在している可能性が高いということです。「ただの耳だれ」と放置してしまうと、原因疾患への治療が遅れることになり、治りにくくなったり、重い難聴に繋がったりするケースがあります。
耳だれの症状がみられたら、痛みなどがなくても、尼崎市武庫之荘にあるほんじょう耳鼻咽喉科クリニックへお早めにご相談ください。

急性中耳炎

耳の中の「中耳」という部分で細菌感染などが起こり、炎症を引き起こす病気です。炎症によって、耳の痛み、発熱、耳から膿が出るなどの症状が現れます。特に子供にかかりやすい病気で、就学前の子供の6～7割は急性中耳炎にかかると言われています。

慢性中耳炎

中耳炎の症状を慢性的に繰り返す病気です。急性中耳炎が治りきらなかったり、発症を繰り返えしたりすることで、鼓膜に穴が開いたままの状態になってしまい、そこから細菌が侵入し発症を繰り返します。

真珠腫性中耳炎（中耳真珠腫）

鼓膜の成分の一部が真珠のような塊を作り、症状を引き起こすことから「真珠腫性中耳炎」と呼ばれています。放置すると周囲の骨を破壊しながら徐々に大きくなっていくため、音を伝える中耳の構造が破壊されてしまいます。
また、中耳よりも奥にある「内耳」という部分まで破壊されることで、聴覚だけでなく身体のバランス感覚（平衡感覚）が障害されたり、顔面神経麻痺が現れたりします。

好酸球性中耳炎

好酸球性中耳炎は、ねばねばとした粘度の高い耳だれが中耳に溜まる病気で、溜まった耳だれによって難聴、耳鳴り、耳のつまり感を引き起こします。
この病気が単体で発症するケースは少なく、気管支喘息や一部の副鼻腔炎をお持ちの方に発症しやすいのが特徴です。

外耳道真珠

通常、耳垢は外耳道（耳の穴）に溜まりますが、外耳道の「皮膚の中」に耳垢が溜まる状態を外耳道真珠腫と言います。皮膚の中に耳垢が溜まっていくため、自然に表に出ることはありません。
外耳道真珠腫は、経過とともに皮膚の奥の骨を削りながら増大していきます。ご自身で取ろうとすると、炎症を悪化させ、出血や痛みが生じる恐れもありますので、必ず耳鼻咽喉科で治療を受けるようにしてください。